ロゴ:優しい食卓
戻る | HOME
通信

from France

バカラ美術館
Baccarat Galerie-Musee
2004.10.5

 世界を代表するクリスタルの最高峰といっても過言ではないバカラ。その美術館が、パリ10区から去年16区へとリニューアルオープン。今回の新美術館の舞台として選ばれたのは、20世紀始め多くの芸術家を支援した元子爵婦人である“Marie-Laure de Noailles”のお屋敷、そしてその内装を手がけたのは、今の時代を先行くデザイナー“フィリップ・スタルク”です。
 スタルクは、ロンドン、NY、マイアミなどのホテルまた多くのレストランやバーなどの内装、オブジェデザイナーとしても大活躍であり、彼の遊び心あふれる演出には毎回驚きと絶妙なバランス感覚に感嘆させられます。そんなスタルクにとって、バカラは、見事なインスピレーションの源であったようです。
 「私にとって、バカラはまばゆいまでに輝くクリスタルが見せる幻想の世界です。そしてバカラはすべての夢が叶うクリスタルの宮殿へ私を導くのです。クリスタルに反射する光は、イリュージョンが支配する精神性と詩情のゲームへと私を誘います。それは私の人生に対する姿勢、つまり愛すること、夢見ることの素晴らしさと深く関わる姿勢と完璧に通じ合います。」

バカラ美術館の外観
今回はそんな彼の空間作りにスポットをあててご案内していきたいと思います。まず、建物に足を一足踏み入れると、してやられた!発想の転換、巨大なバカラのシャンデリアが「水槽」の中で回転しています。水と光とクリスタルの共演といったところでしょうか。水の中で光り輝くクリスタルの恍惚の光・・・。
 そして、地上階には、グラス類などのホームコレクション、装飾品、シャンデリアからウォッチまでバカラコレクションすべてを見ることのできるブティックになっています。コンクリートに、スタルクはわざとシンプルな壁と13mのバカラ製テーブル、鏡とクリスタルを組み合わせたショーケース、絨毯にもいつものように趣向をこらし、過去の模範的なスタイルだけで終わらせず、今の心を取り入れています。

ショーケース

美術館入り口

ショーケース
 2階に上がると、右手が「クリスタルルーム バカラ」というレストラン。ここは以前この邸宅のオーナーがダイニングルームとして使用していた場所です。スタルクはそこにモダニズムと大胆さを加えるとともに、オリジナルのデザインを壊さないよう心がけました。そして、左手が美術館の入り口になっています。
 以前の10区の美術館に比べると多少展示品が少ない気もしますが、見せ方の巧妙さには脱帽です。コンクリートのうちっぱなしに描かれた抽象画とクリスタルの共演、各ショーケースはテーマごとに別れ、各国王室からの特注品を始めとするすばらしいコレクションの数々を、クラシカルなだけの演出に流れず展示されています。
 建物随所にスタルクオリジナルの家具を配置し感嘆と思わず笑ってしまうような演出が散りばめられています。新しく生まれ変わったバカラ美術館、次回のパリご旅行の際には、是非のぞいてみるべきスポットです。

ブティック奥廊下


バカラ美術館
11, Place des Etats-Unis - 75116 Paris
Tel 33 (0)1 40 22 11 00
時間 月曜日―金曜日 10h ― 21h 土曜日 10h ― 19h
メトロ 6号線/BOISSIERE 9号線/IENA


ライタープロフィール:高橋 奈美(Nami Takahashi)
フランス在住。パリでインテリア及びデザイン学校MJMを卒業後、内装関係の仕事やフランス製品のバイヤー、また、長年の食文化への興味をいかし本格的にヨーロッパ古典磁器絵付を習得中。最近は、最新スポットの食空間やホテルを中心としたパリのコーディネート業をこなし、フランスの文化を日本に発信すべく活動中。
nami.takahashi@wanadoo.fr (ご質問やお問合せは左記のアドレスまで)

Copyright (C) Yasashii Shokutaku Co., Ltd. All Rights Reserved.