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| from France |
| ペネロップ展とRECEVOIR(おもてなし) | 最終回 2005.4.15 |
| パリは、カフェのテラスで寛ぐ人々の姿が増え、和やかな太陽のもと、季節の移り変わりを感じます。毎回このページでは、パリでトレンドスポットを押さえつつ、パリ散策に役立つ情報をご紹介してきました。 フランスの食卓芸術についてお話したいと思っても、数ページで語りつくせるものでないのは、皆様ご承知のはず。そこで最終回の今回は、フランスの食卓芸術 つまりは生活芸術 "ART DE VIVRE"の一環として、Penelope(ペネロップ)を取り上げてみます。 日本でも4月27日から東京プリンスホテルパークタワー ボールルームにて "Invitations Gourmandes"「煌きの食卓への誘い」をテーマに、22名のデザイナー、スタイリストがリネンをデザインし、彼らがイメージした空間が展開されます。フランス人のセンスが凝縮された芸術的空間を垣間見る事ができます。(※1) 何を隠そうこの私自身も日本で行われた展覧会を10代後半の時に見たのがきっかけで、フランスに興味を持ち、今こうしてフランスで生活をしているといっても過言ではないくらいに、すばらしい感動を与えてくれたのを今でもはっきりと覚えています。 |
ペネロップとは、50年ほど前に第二次世界大戦で夫を失った婦人達の経済的自立を促進するための非営利のボランティア団体としてスタートしました。お裁縫や刺繍で生計を立てるにも、「買い手」が見つからず苦労する女性たちの作品をアパートの一角で展示、販売したのがきっかけ。そこにテーブルクロスを飾り、窓と窓の間に飾りをしてベビー服や子供服などをディスプレイしました。 少しずつ反響を呼び、5年後にはパレデコングレ(パリ市内の展示会場)で、そしてカルーセル・ルーブル(ルーブル美術館内展示会場)、東京、ニューヨーク、ベルギーでも食卓芸術テーブル展を開催するようにまでなりました。 毎回興味深いテーマを決め、一流のデコレーター、彫金師、ガラス細工師、フラワーアーティストなどの参加により、回を重ねる毎に成功を収めています。顧客も大統領官邸であるエリゼ宮、首相官邸マティニヨン、海外のフランス大使館などを初めとしたメンバーが名を連ねています。2年ほど前にオルセー美術館で行われた「19世紀のフランス食卓」の展示会でも勿論ペネロップのリネンが使われていました。 |
| フランスでもっとも最近行われたペネロップ展は、2003年11月パリ市郊外の高級住宅街でもあるNEUILLY(ニュイ市)の貴族の館Hotel Arrturo Lopezで、「過ぎ去った食器、今日のテーブル」と題し、26人のデザイナー等により空間が演出されました。 会期中は、私も幾度となくお手伝いをさせていただき、特に大きな宣伝をするわけでもないのに約3週間の会期の間に噂が噂を呼んでいく様子を垣間見ることができました。 その時に展示された物、数点をご紹介します。 * * * |
![]() Hotel Arrturo Lopez |
![]() Guillaume FEAU |
Guillaume FEAUは、”Diner de fables”(寓話の夕食)を出展。1875年創業の彼の会社では、インテリアに関する重要な資料や古いボワズリー(木製装飾壁画)を大量に保存しており、歴史収集家の一人としても一目置かれている存在です。その彼のコレクションを使って今回は、ラ・フォンテーヌの寓話を描いた壁を1面に敷き詰めて、その寓話が出来上がった17世紀スタイルの家具を使っての空間を演出。 19世紀のナポレオンの時代の迫力ある空間作りをしたPierre-Herve Walbaumの"Badinage a Baden Baden"(バーテンバーデンでのおしゃべり)。この時代の装飾様式の木製装飾壁画、食器、カトラリー、シャンデリアと完璧なコーディネートで、ため息のでるものでした。 |
家具デザイナーでもあり建築家でもあるArnaud de Petivilleは、"Alcove revisitee″「アルコーヴ(寝台を収める床の間のような凹んだ空間)を再訪」と題し、モダンで直線的、シンプルなデザインで会場の壁のくぼみをうまく利用しての空間作りです。彼の色彩、バランス、デザイン感覚は、パリの16区のHotel Duret(※2)に集約されています。* * * このように、フランスには、時代によってかなりインテリアのスタイルが確立されています。そのため、各デザイナーは、イメージする空間にあったスタイル様式の家具、カトラリー、リネンデザインと統一性を出していきます。会期半年以上前から各デコレーターは、自分のイメージをペネロップ側に伝え、完璧な空間作りを実現させるために、オリジナルのテーブルクロス、ナプキンが製作されます。 時代つまりスタイルを混ぜるという事も可能ではありますが、それは、ちゃんとした知識を持ってされた物と、そうでない物は、はっきりとかもし出す雰囲気に差がでるとあるデザイナーが言っていました。 |
![]() Pierre-Herve Walbaum |
![]() Phillipe Parent |
自分で食器の柄もデザインし磁器絵付けをしている出展デザイナーの彼女を例えにとってみると、大学で美術史を学んだ後、長年アンティックの勉強をし、各時代の様式や家具の知識、色彩感覚などを身に付けたとのこと。 その彼女にも、様式を知るということは、空間を作るうえでは、必ず必要よと言われました。確かに、私がパリ通ったインテリアの学校でも週に1回だけでしたが、「美術史」の時間があり、時代の流れを絵画から学んだ後は、その時代の絵画のバックに描かれている家具や床の板張りの仕方などから時代を学んだりもしました。 |
![]() Arnauld de Petitville |
![]() Marie Pourchet |
![]() Jean Borrio |
| ペネロップの空間を見る時、まず全体を眺めて感じた後は、カトラリーはどこのもので、どのスタイル、どうしてこのデコレーターはこのカトラリーを選んだなのかしら?と自問自答しながら見ていくのも楽しみのひとつでもあります。フランスの一流デコレーターとペネロップのコラボレーションの上に成り立ち、その技術、デザイン性、質の高さは、テーブルのオートクチュールといっても過言ではないでしょう。もうすぐ始まる日本での展覧会でも、どんな空間とためいきが皆様を迎えてくれるか楽しみです。こんな展覧会を見てしまうと我が家とのあまりにもの違いに、かえって人を家に招くという事に尻込みしてしまうかもしません。 | ![]() Arnauld de Petiville |
| フランスでは年齢に関係なく若者の間でも "今週Fete(フェット=パーティ)するから来ない?″という会話がよく交わされます。小さい頃から両親が人を招き、一緒に時を楽しむという事を知っているから、また現実的には最も経済的で、時間も気にせず過ごせるからいうのもあります。そうやって、型にはまらず、自分流に親がやっていた様に、我が家で友人たちと過ごす贅沢な時間、おもてなしというのを知っていくのかもしれません。 確かに、フランスでは、日本よりも人を自宅に多く招きます。会社よりもプライベートを大切にするフランスでは、大抵がカップルまたは夫婦単位で行動します。余談ですが、和食器は5組がひとつの単位としてされています。これは、日本が奇数を尊ぶという所からも来ていますが、フランスはいつも夫婦単位で物事を考えるので、食器も必ず偶数で揃えます。我が家でも、週末は特によく人が集まります。お招きする方にもよりますが、私はメニュー構成もあえて簡易的なものにして、私自身が席を立ったり座ったりしなくていいようにします。私がリラックスしていなければ、来てくれた友人たちもリラックスして楽しめませんし、何よりも私自身が楽しめません。これは、来てくれた方へのおもてなしの気持ちの一つだと思っています。ただ、フランス人を招く時はちょっと日本の雰囲気を織り交ぜたりしながら、目で楽しませる演出を私が楽しいのでします。 日本では、人を招くために完璧なテーブルとお料理が必要だと思っているかもしれませんが、本来家に人を招くのはくつろいだ雰囲気でゆっくり話しをするためです。多くの女性が仕事を持つ現在でも、社会の接点の場として家庭でのおもてなしを大切にし、そのための努力を惜しみません。 とある香水メーカーの社長夫人で、彼女自身もデコレーターであるのですが、南仏プロバンスでの昼食に招待されたときのこと。おもてなし "Recevoir″(ルスヴォワール)という話題になりました。プロバンスとヴェルサイユの家を行ききする多忙な彼女が、「どんなに忙しくても人を招くことは人生にとって大切だと私は知っているからするわ。どんなに忙しくてもお花も欠かさないし、自分できちんとお料理もする。」と言っていました。そうすることが 生活芸術 であり 人生の楽しみを分かち合うことを知っているからです。またフランスでは、Elle sait recevoir.(彼女はもてなし上手だ)というのは女性に対する最大の賛辞の一つでもあるのです。 最後に、2003年11月フランスで行われたペネロップ展で配布されたカタログを2名様にプレゼントします。ご希望の方は、下記メールアドレスまでご連絡下さい。抽選でパリよりお送りします。結果は発送を持って替えさせて頂きます。 (締め切り2005年5月末) namitp1@hotmail.com (注) ※1 ペネロップ日本展2005年 "Invitations Gourmandes″「煌きの食卓への誘い」 2005年4月23日(土)〜5月7日(土) 時間:10:00〜20:00(入場19:00まで) ※最終日5月7日(土)は、10:00A.M.〜6:00P.M. (入場5:00P.M.まで) 入場料 / 当日入場券 : 2,800円 前売入場券 : 2,500円 会場 / 東京プリンスホテル パークタワー ボールルーム ※2 Hotel Duret(http://www.hotel-duret.com/default.htm) |
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| ★「優しい食卓」出版部より★ フランスシリーズは今回で最終回になります。記事を書いてくださった高橋さんから読者の皆様へメッセージです。 |
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| 季節ごと、自分のライフスタイルごと、パリは自分流の楽しみ方があります。だから、何度来ても楽しいし、いくらいても飽きることのない街なのでしょう。 今回、パリの一部だけしかお伝えできませんでしたが、今後皆様のご旅行の参考になればいいなぁと思っています。どんどん自分流のパリ楽しみ方を見つけてください。 ご感想を頂いた方をはじめ、読んでくださった皆様ありがとうございました。 |
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ライタープロフィール:高橋 奈美(Nami Takahashi-Plantier) フランス在住。パリでインテリア及びデザイン学校MJMを卒業後、内装関係の仕事やフランス製品のバイヤー、また、長年の食文化への興味をいかし本格的にヨーロッパ古典磁器絵付を習得中。最近は、最新スポットの食空間やホテルを中心としたパリのコーディネート業をこなし、フランスの文化を日本に発信すべく活動中。 nami.takahashi@wanadoo.fr (ご質問やお問合せは左記のアドレスまで) |
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